牛飼い指南書

農業で生産性のある豊かな人生を

配合飼料はアップグレード、粗飼料はダウングレード

時代が進むにつれて、餌は高騰していますが、アップグレードされているでしょうか?

それともダウングレードされているでしょうか?

 

配合飼料は、その成分は非常に安定し、安心して給与できるようになっていっているのではないでしょうか?

TMR(完全飼料=飼料と粗飼料を混合したもの)も、最近では多く活用されていますね。

 

一方、粗飼料はどうでしょう?

 

実は国土の限られた日本では農地が減ることで、国産の粗飼料はダウングレードしていっているんですよね。

 

というのは、まず還元的な話をした場合、農地が減ると、堆肥を出す場所は限られていきます。

 

堆肥を同じところに出せば、その土地の成分はかなり変わってきます。

 

となれば、その土地でできた粗飼料を安心して食べさせられなくなります。

 

最近は、牛舎の床を厚くし、しばらく堆肥出しをしない方法を採用している牛舎が多いです。

 

しかし、長年堆肥を堆積させる場合、気をつけなければならない点があります。

 

それは、「濃縮」です。

 

牛舎に日光が入り、堆肥の水分が蒸発し、その上に牛がまた排便をする。

この繰り返しにより、濃縮が起こり、堆肥の成分はどんどん濃くなっていきます。

 

これを、畑に還元するとどうなるか想像ができますよね。

 

つまり、ダウングレードされた粗飼料の問題を解決するためには、堆肥の行方を考えなければならないということです。

 

私の個人的な見解では、個人単位の解決は難しいと思っています。

 

こういった問題に税金を投入し、例えば、地域に堆肥処理施設や、バイオガス発電施設を作るなど、国単位で取り組む必要なあるのではないでしょうか?

 

そうでなければ、将来的に堆肥を海に捨てることにならざるを得ない結末になるでしょう。

 

それは、絶対に避けなければならないですよね。