牛飼い指南書

農業で生産性のある豊かな人生を

三元交配の歴史

黒牛が他の種類の牛に比べて小さいのは知ってますよね。

 

ホルスタインと黒牛を比べると違いがわかりやすいですね。

 

黒牛は人間の背よりも高くなることはないですが、ホルスタインは人間の背よりも高い個体もいるほどです。

 

黒牛は小さくて、身体が弱い。

 

それは昔から、近親交配が行われてきた歴史があるからです。

 

そしてその改善と、「黒牛」が産み出すためにおこなったのが、

「三元交配」です。

 

三元交配は他種の牛、黒牛とホルスタインとアンガス等を組み合わせて交配するものです。

 

これにより「雑種強勢」が起こり、親よりも優れた子牛が産まれます。

(遺伝的情報が遠いほど雑種強勢が起こりやすい。人間でもハーフは優れた能力を持っていることが多い)

 

黒牛においては、ホルスタインの血を混ぜることで、黒牛の資質を保ちつつ大型化を成功させました。

 

現在に至ってはほぼ完成された黒牛ですが、稀に白斑がでることがあります。

 

これは、ホルスタインの血が後世遺伝するためです。

 

それでも黒牛には変わりありませんが、黒牛として、生産牛として登録するときに、登録できないことがあります。

 

そういった牛を淘汰するのも、より良い黒牛づくりには必要なのです。

 

また、最近ではF1(first filial generation)という、黒牛のメスとホルスタインのメスの一代限りの掛け合わせを呼称する品種もでてきました。

 

F1は高い生産性を売りに市場に出荷されています。

 

今後も色々な形で三元交配をもとに雑種強勢が行われます。

これにより、和牛文化はより発展するでしょう。