種がなかなかつかないが、発情はちゃんと来る。
こういった場合のほとんどが、卵胞が着床妊娠を維持できていないんです。
基本的な考えとして、
「排卵しているならば、授精をしたら受精している」というものがあります。
しかし、それが着床するか、着床を維持できるかが問題です。
それを解決するために、人工授精後にトンボ(イージーブリード)を使うわけです。
卵胞ができたところから説明すると、
仮に、その卵胞が排卵したとします。
排卵が済んだ卵胞細胞は黄体細胞になります。
簡単に考えるならば、卵胞細胞が「黄体」へと変化すると思ってもらえれば良いです。
その後8〜10日程経ち、黄体は成長しプロジェステロンを産生します。
このプロジェステロンが胚(受精卵そのもの)の発育をサポートします。
つまり、このプロジェステロンを一定に保つ、あるいは、補うためにイージーブリード(プロジェステロン)を投与するわけです。
プロジェステロンは、「胚が存在するとき」は、胚の着床妊娠の維持を助けます。
一方、胚が着床していなかった場合には、このプロジェステロンの関与によって、黄体退行と卵胞発育がサポートされることで、次の「発情」がくるわけです。
このように、黄体と卵胞のステージに合わせて、獣医さんはどんな治療を行うか考えているのです。